窩洞形成の日:患者さんの状態を確認し、患歯の検討から始めます。検討の際にはレントゲン写真を使うべきでしょう。窩洞外形と治療中に起こりうる事態をよく考え、指導医と話し合います。術前の口腔内写真を撮ります。これは、クリティーク(実習批評会)の際にとても役に立ちます。ラバーダム防湿を施した後、既存の修復物及びう蝕を除去します。この時点で、もう一度、修復方法を検討します。もし、状況が術前に予想したものと異なる場合は、治療方法を変更します。それから、しかるべき材料でブロックアウトを行った後、窩洞形成を完了します。指導医の意見を聞きたい場合には、どのような状態でも中断し、質問をして、疑問を解決します。指導医に形成完了の最終チェックをしてもらい、OKならば、口腔内写真を撮り、他のメンバーへ対してのアナウンスを行います。
このような方法は、最初のうちは抵抗があって臆病に感じるかも知れませんが、すぐに慣れてきます。印象採得を行い、再び指導医のOKをもらえたならば、暫間充填を行い、患者さんへ術後の注意を行った後、帰します。
合着の日:患者さんをチェアーに着席させ、暫間充填がどうであったか問診します。各メンバーは、指導医と一緒に鋳造物の形態や適合を確認します。全てに問題がなければ、準備完了です。ラバーダムを施し、口腔内で鋳造物の適合を確認します。調整が完了したら、手順に従って合着・研磨・仕上げを行います。合着の時も、疑問があればいつでも指導医を呼び、質問したり手助けを求めたりして下さい。全てが完了したら、口腔内写真を撮影し、他のメンバーにアナウンスを行い、治療が完了した状態を見てもらいます。続いて、患者さんに術後の注意を行った後、帰します。すべての実習が終了したら、指導医と共にクリティークセッション(症例考察・批評会)を行います。その際、次回からの治療に役に立つような提案やアドバイスが示されます。メンバー全員の技術は、勉強会を行うたびに必ず向上します。また、その過程を見るのはとても驚くべきことです。
クリティーク(症例批評会)が終わったら、各スタディクラブの役員は小さな役員会議を開き、指導医にお礼を伝えます。格式通りの勉強会はこれで終わりです。夕食に向かい、会話を楽しみます。カジュアルな心持ちで構いませんが、なるべく歯科の話をするようにします。