13 Awful Things That Happen If You Don’t Brush And Floss Your Teeth – Business Insider
Lauren F Friedman
Feb. 14, 2014
自分の歯を面倒みる時間がない? 約半分のアメリカ人は毎日フロスを使っていません、また5人に1人は1日2回の歯みがきをしていません。― つまり、あなただけではないのです。しかし、これを読めば、考え直してみたくなるかも知れません。
“自分の歯と歯ぐきを大切にすることは、むし歯と口臭を予防するだけではありません” と、アメリカ歯科医学会は警告しています。 “口は食べものだけでなく、全身の健康への入り口である”
歯科医療を軽視することと全身に起こる様々な症状を、直接に関連づけることはほとんど不可能でしょう。なぜなら、研究者は、比較のために長期間にわたり歯を磨かない人のグループを作らなくてはいけないから - それはつまり、人体に害があるような、非倫理的な状態を作らなくてはならないから。しかし、口の中が汚いことと、様々な病気との関連性を証明したものはたくさんあります。
アメリカ歯科医学会は、少なくとも1年に1度の歯科検診を受け、1日に2回2分間の歯みがきと、1日に1回のフロスをすることを勧めています。もし、そのアドバイスを無視するならば、むし歯になるのは確実、そして、13のことが起こる可能性があります。中には良く知られているものも含まれます。
1.歯ぐきの病気(歯周病)
ほとんどの人はこの病気に気付きません。しかし、歯ブラシやフロスをした程度では歯ぐきからの出血は起こらないはずです。もし、あなたがその状態ならおそらく歯周病になっているか、もしくは、少なくとも歯周病への道をたどっているでしょう。歯肉炎、歯ぐきの病気の初期段階では、歯ぐきが赤くなり、腫れ、出血しやすくなります。これは、プラーク(歯と歯ぐきの間に蓄積した細菌)が引き起こしています。アメリカでは50%(日本では25歳以上の80%)が歯肉炎になっています。
プラークが広がると、免疫反応が高まり、歯ぐきと骨を破壊し、歯の間に歯周ポケットができ感染します。(プラーク以外の原因でも、この反応が起きることがあります。)この病気のひどい状態は、歯周炎と呼ばれ、慢性化することがあります。歯周病(歯周炎)をインターネットで検索すれば、口の中を清潔にすることに関して、もっと用心深くなるかも知れません。
Source: American Academy of Periodontology; Clinical Calcium, 2012
2.歯を失う
もし、今までに自分が歯を失うことを考えたことがなかったら、今すぐに心配してください。平均で、20歳~64歳の間に7本(日本人は生涯で18本!)の歯を失います。また、50歳~64歳のアメリカ人10%(日本人は20%)が完全に1本の歯もない状態です。むし歯と歯周病は歯を失う原因となります。
Source: National Institute of Dental and Craniofacial Research
3.くさい息
くさい息、専門的には口臭と呼ばれ、65%の人に影響しているといわれます。様々な病気の症状として口臭が出ることがありますが、最大の原因は口の中を綺麗にしないことです。食後、食べかすが歯の間に長時間残ると臭いの原因となります。また、歯みがきとフロスの回数が少ないほど、口の中に臭いの原因となる細菌が増えていきます。舌表面の細菌は口臭の主な原因になります。通常の歯みがきとフロスに加えて、舌を綺麗にすることが口臭問題を解決する助けになるかも知れないという研究結果が出ました。
Source: Internal and Emergency Medicine, 2011; International Journal of Oral Science, 2012; Nursing Research, 2013
4.認知症
ラグナヒルで行われた、長期間・大規模の研究結果によると、口の中を綺麗にしないことと認知症には関連性があるようです。もちろん、口の中を綺麗にしている人は、健康的な生活習慣だからかも知れませんが…。歯のある人5468人を18年間調査したところ、1日1回歯を磨かない人は、1日3回磨く人に比べて、22%~65%認知症になりやすいという結果が出ました。アルツハイマー症の脳を調査したところ、歯ぐきが健康な人と比べて、歯周病に関連した細菌が多く見つかりました。
Source: Journal of the American Geriatrics Society, 2012; Journal of Alzheimer’s Disease, 2013
5.肺炎
肺炎の病原菌が口の中に潜んでいるなら、直接肺へ吸い込むことになり、肺を荒らすことになるでしょう。有名なレポートが、口の中を綺麗にしないことと、院内感染性肺炎の関連性を明らかにしました。口の中を綺麗にすること―ここでは、歯磨きとフロスをすること―が、40%も肺炎を減らします。ブラジルの病院で315人を調査したところ、歯周病を持つ患者は、およそ3倍も肺炎になりやすいことがわかりました。
Source: Annals of Periodontology, 2003; Journal of Periodontology, 2013; Gerondontology, 2013
6.男性機能不全(ED)
歯の病気とEDは関係ないように思います。しかし、予備調査が関連性を明らかにしそうです。ビタミン欠乏症、喫煙、一般的な炎症が関連しているといわれていますが、直接的な原因は謎に包まれています。ネズミの研究によると、歯周病と男性器が関連していることがわかりました。人に当てはまるかはまだ解明されていませんが、30~40代のED患者では56%が重度歯周病にかかっている一方、EDでない人では重度歯周病はわずか23%でした。もしEDを患っているなら、歯周病治療は利益をもたらすかも知れない、と研究の著者は書いています。
Source: The Journal of Sexual Medicine, 2011; The Journal of Sexual Medicine, 2012; Journal of Clinical Periodontology, 2012
7.脳膿瘍
膿瘍は膿の集まりで、細菌感染による腫れと炎症が原因となることが多い。特に脳で起こった場合は、放置すれば死に至る。“口の中を汚くして、重度歯周病を持つ人は、命に関わるリスクを背負っているかも知れない” ― ある病気が、別の場所の病気を引き起こす。科学者チームが、重度歯周病を持つ人は、命に関わるような脳膿瘍を引き起こす傾向があると指摘しました。
Source: Journal of Clinical Periodontology, 2011
8.糖尿病
歯科医師は、糖尿病は歯周病を悪化させると長く考えてきました。しかし、新しい研究は、糖尿病と歯周病の関係は双方向であるかも知れないとしています。とてもひどい口の中の環境は、インスリン抵抗性(良くいわれる糖尿病の傾向がある状態)そして、糖尿病のリスクを高めます。なぜなら、炎症を増長させるから。また、いくつかの研究では、糖尿病と歯周病の両方を持つ患者さんは、歯周病を治療することで糖尿病が改善すると指摘しています。
Source: Annals of Periodontology, 1998; Diabetes Care, 2010; Diabetes & Metabolism Journal, 2012; Journal of Applied Oral Science, 2013
9.腎臓病
アメリカ成人の3.7%(日本成人の約12.5%)が慢性的な腎臓病にかかっています。しかし、特定の人はもっとリスクが高まります。それは、歯周病を持つ人。4.5倍慢性腎臓病にかかりやすくなります。高コレステロールの状態と比べて、口の中を汚くしている方がはるかに腎臓病を引き起こすということです。全く歯がない人では、11倍も慢性腎臓病にかかりやすくなります。一方で、歯科の病気が1番の原因ではありません。例えば、60歳以上になると、若い人に比べ27倍腎臓病にかかりやすくなります。他の研究で確認されたことでは、食生活指導等で管理されていても、歯周病は恐らく腎臓病のリスクを大いに高めるでしょう。
Source: American Journal of Kidney Disease, 2008; Journal of Periodontology, 2010
10.心臓病?
様々な研究が、歯ぐきの病気と心臓の病気に関連性があるということを示しています。それら両方は炎症に関係しています。「口の中を自分で手入れできることは、患者さんの口の中の環境を良くし、そして、冠血管性心臓病を減らす可能性がある」と結論づけています。また他の研究では、「病原性細菌による歯周病は心臓病の原因となる様々な可能性を示している」としています。
2008年版予防医学指針の著者は、直接的な因果関係は証明しきれてないが、歯周病は心臓病のリスク因子と考えるべきだとしています。しかし、アメリカ心臓学会は2012年に、科学的な証明と共に注意を発しました。歯周病と心臓病は多くの根本的なリスクを共有している。歯科の問題が心臓病の直接的な原因と考えられる理由はない。歯周病を治療することは体に起こる炎症を減らすが、心臓病の道を変えることは全くない。
Source: Journal of General Internal Medicine, 2008; Current Opinion in Nephrology and Hypertension, 2010; General Dentistry, 2012; Circulation, 2012
11.妊娠の複雑化
60~75%の妊婦が歯肉炎を持っており、妊娠している可能性のある女性には特に重要なことです。妊婦が重度な歯科の問題を持っている場合、赤ちゃんはむし歯になりやすい傾向を示します。妊婦が口の中を健康にしない場合、直接的な因果関係は完全には証明されていませんが、低体重児や早産と関係してきます。研究者は、どちらかの原因が関係しているのではないかと疑っています。1つは、歯肉の炎症があることで全身の炎症反応が高まること、もう1つは、口の中の細菌が血管を通って、最終的に胎盤に届き、細菌が住み着くと炎症を引き起こすということ。
Source: Journal of Clinical Nursing, 2010; Ginekologia Polska, 2012; Dental Clinics of North America, 2013
12.潰瘍
歯周病を持つ人は、歯ぐきの奥にできた歯周ポケット内で増殖した細菌は、ピロリ菌の温床となり、普段は症状がなくとも、ピロリ菌が活性化したときに胃潰瘍を引き起こします。ピロリ菌は口を通して感染し、大規模な疫学調査が、歯周病菌とピロリ菌の関連性を証明しています。また、胃がんのリスクを高めることもわかっています。様々な研究者が様々な結論を出していますが、共通していることがあります。歯周病によって形成される細菌性の歯周ポケットは、多種の細菌の成長を促進し、炎症を引き起こすということ。これは、疑う余地がありません。
Source: Gut, 1995; American Journal of Public Health, 2002; Clinical Microbiology Reviews, 2010
13.癌
「最近の研究が示すところでは、歯周病が悪化すること、そして歯を失うことは、悪性の病気のリスクを高めることに関連している」と、口の中が不健康であることと癌の関連性を調査した過去の研究を踏まえて、結論づけました。歯ぐきの病気と歯の病気は、80%の口腔癌の原因となっているパピローマウィルスと関連がある。一喫煙は、歯周病と癌の大きなリスクとなる一方、昨年、口の中が不健康な人3439人を研究したところ、喫煙のリスクを考慮したとしても、パピローマウィルスとの関連性を示しました。前段階研究では、歯周病は口の中で癌細胞の成長促進をしているかもしれないと発表しました。
Source: Dental Update, 2010; South Asian Journal of Cancer, 2012; Cancer Prevention Research, 2013
訳:清水雄一郎
原文:13 Awful Things That Happen If You Don’t Brush And Floss Your Teeth