リチャード V. タッカー先生は、R.V.タッカー・スタディクラブの創設者であり、ワシントン州ファーンデールの一般開業医です。アイダホ州オロフィノで生まれ育ち、1946年にミズーリ州セントルイスのワシントン大学歯学部を卒業しました。卒業後から開業までの2年間を海軍で過ごしました。
1950年、ジョージ・エルスパーマン先生は、最高品質の保存修復治療という考え方と、それは勉強会において患者さんへの治療を通して追求・共有するものであるということを、タッカー先生に紹介しました。タッカー先生は、この最高品質の保存修復治療の哲学に感銘を受け、当時未発達であった鋳造金修復(ゴールドインレー・ゴールドアンレー・ゴールドクラウン)に当てはめました。刷新的な治療方法と知識を組み合わせ、美術と科学を融合・進化させることで、窩洞形成のデザイン・治療手順を確立し、アメリカでは、「タッカーテクニック」として知られるこの鋳造金修復をこの世に生み出しました。
タッカー先生の治療法と治療結果が世に知られるに従って、この治療法を学びたいという要求が出てきました。こうして、カナダ・ブリティッシュコロンビア州バンクーバーとアメリカ・ワシントン州シアトルで、タッカー先生を指導医とする2つの勉強会が同時に創設されました。この2つの勉強会が中心となり、現在のR.V.タッカー・スタディクラブの基礎を作りました。
学会の成長は、高品質な鋳造金修復(キャストゴールド)と金箔充填修復(ゴールドフォイル)の概念・手技を教育する必要性があることを、自ら証明しているものですが、これはタッカー先生が、ひとりの歯科医師として、またひとりの人間として素晴らしい人格であることによるものである、ということも忘れてはいけません。彼はアメリカ国外でも活躍する講演者、教育者として、多くの賞を手にしてきましたが、彼の名声を上回るものはありません。タッカー先生は、歯科治療技術の才能がある紳士というだけでなく、同業者・仲間・患者さんをより良くするために、彼の人生を費やしてきた貢献者でもあります。