ここでは、タッカー先生の技術を応用したゴールド(金)の虫歯治療法を説明します。
痛みがなく長持ちする歯科治療を多くの方が望んでいることを、私たちは知っています。
通常は2回の通院が必要になりますが、型どりをしてお口の外で時間をかけて丁寧に仕上げることで、適合の良い詰めものができあがり、きちんとかみ合わせを回復することができます。
虫歯治療にゴールドを選ぶ利点は、他のどんな材料よりも長持ちすると言うことです。
カウンセリング
実際の治療に入る前に、担当医と治療法について話し合います。
ゴールド(金)以外の治療法もあります。それぞれの治療の利点・欠点を良く理解してから治療に入りましょう。
納得できる治療法を選んでください。それが、1番大切です。
1回目
(治療時間の目安:1時間~2時間)
麻酔
まずは、無痛麻酔法(painless anesthesia)で麻酔をします。
私たちの虫歯治療は、痛みがなくとにかく快適に。
虫歯を取りのぞく
虫歯で柔らかくなった部分や不健康な歯だけを慎重に取り除きます。
虫歯が深い場合、大きい場合には、神経に近い部分にお薬を詰めます。
再調整(リファイン)
金のつめものがきちんと入るように、もう一度形を調整します。
型どり
かみ合わせの状態を含めた精密な型どりをします。
丁寧に歯の形を整えられると、綺麗な型どりができます。綺麗な型どりからは、精密な模型ができあがります。精密な模型からは、精密な詰めものができあがります。このように、一連の手順は、全てが1本の線でつながっています。
仮止め
次回、ゴールド(金)の詰めものが入るまでの間、仮の詰めものを入れておきます。
治療後の確認・気をつけること(再確認)
おつかれさまでした。
治療後は、術中のできごとを報告し、次回までに気をつけることをお伝えします。
麻酔が効いている間は、頬をかんだりやけどをすることがあるので、食事はなるべく控えます。飲み物は問題ありません。
最終的な詰めものが入るまでは歯が欠けることがあるので、食事はなるべく反対側で、軟らかいものを食べるようにしましょう。
2回目
(治療時間の目安:45分~1時間半)
治療前の確認
前回治療後から2回目の治療までに、気になることがあれば担当医に伝えて下さい。
麻酔
初回と同様に、無痛麻酔法(painless anesthesia)で麻酔をします。
患者さんが痛みを感じないということは、私たちにとっても大切なことです。
仮合わせ(試適)
できあがった詰めものが、きちんと歯に適合するか確認します。どんなに精密に作ったとしても、調整なしでぴったりと入ることはありませんので、実際にお口の中で合わせて最終調整を行います。
また、万が一この時点で適合が悪ければ、正直に患者さんにお伝えし、型どりのやり直しを行います。
装着・研磨
仮あわせで、きちんと入ることが確認できたら、金の詰めものを接着剤でとめます。
それから、ゴールド用の特製のヤスリで、歯とゴールドの境界を丁寧に磨き、歯と一体化させます。
ゴールドは薄くのばすことができます。これは他の歯科材料にない、ゴールドだけが持つ特徴です。
患者さんは見られないのが残念ですが、ゴールドが伸びて歯と一体化する様子は、タッカーゴールド治療のハイライトです。
一体化したのを確認したら、さらに細かいヤスリと磨き粉を使って、なめらかに研磨します。
治療後の確認・気をつけること
これで治療は完了です。
第1回と同じく、治療中のできごとを報告し、今後気をつけることをお伝えします。
ゴールドのつめものは熱の伝わりが良いため、装着後冷たいもの熱いものが多少しみることがあります。きちんとした治療が行われ、歯の神経が健康であれば、時間の経過とともに回復しますので、心配ありません。
歯で悩まない、快適な毎日を
ゴールドのお手入れ方法
ゴールドの表面はとても滑らかでプラーク(虫歯菌)がつきにくくなっています。しかし、ご自身の歯と同じように、1日2回の歯みがきと、1回のフロスを続けてください。
それから(歯周病リスクがない方は)、年に1回~2回の定期検診をおすすめします。きちんと磨けてるかチェックしてもらいましょう!
患者さんが歯のことを考えるのは、毎日の歯みがきの時間だけです。