修復の目的は、損傷した歯を機能的で、構造的に強く、かつ審美的にも優れた状態へ回復させることにあります。多くの場合、失われた天然歯質の物性にできるだけ近い材料を選択することが望まれます。
近年、特にコンポジットレジンやセラミックの分野で大きな進歩が見られるものの、鋳造金合金や直接金修復は、現在でも多くの症例で第一選択として検討すべき材料です。

Courtesy of Mike Thomas DDS

ゴールド修復の利点

金は酸化せず、歯を変色させない。
残存歯質の脆弱部位を薄い金で覆うことで保護できる。
金は薄くても狭い部位でも破折しにくい。
歯と金の境界は適切に扱えばほとんど段差がなく、プラークが付着しにくいため歯周組織の健康に寄与する。
接触点を適切に形成・研磨できるため、フロスが通しやすく歯肉の健康を保ちやすい。
他の材料よりも高いレベルで研磨・仕上げができる。
7/8冠や全部鋳造冠などは、歯を一体化させて破折の進行を防ぎ、知覚過敏を軽減できる。

Courtesy Dr. B. Evans DDS
Courtesy Dr. B. Evans DDS

天然歯の形態をより正確に再現できる。
金の硬さは天然歯に近く、同じように磨り減るため段差を作りにくい。
精密な適合により、エナメル縁の支持が得られ、欠けや漏洩、細菌侵入を防ぎやすい。
熱膨張係数が歯質に近い。
適切に作られた金修復は、現在一般的な他の修復材料よりも長持ちする。
舌触りや咀嚼時の感覚が自然で、滑沢性と形態の再現性により快適性が高い。

長持ち

装着後70年経過したゴールドインレー – Courtesy of Mike Thomas DDS

ゴールドは全ての状況に対応できる万能の治療法ではありません。ゴールド修復にも欠点があります。

他の材料よりも治療工程に時間がかかる。
費用が高くなる傾向がある。
高い技術が必要で、精度が低いと他材料より劣る結果になる可能性がある。
審美的に不向きな部位がある。
ただし、設計を工夫すれば目立たず、一般の人には気づかれないようにすることも可能。

ゴールドを見せないデザイン

Courtesy of R.D.Tucker DDS